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マーラー:交響曲第 3 番/アバド [DG]
交響曲第 3 番
クラウディオ・アバド指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ロンドン交響楽団合唱団、バーミンガム市交響楽団少年合唱団
アンナ・ラーション(A)
DG 471 502-2
一応交響曲全集が完成しているアバドのマーラーですが、まさか新録音が出るとは思っていませんでした。ましてや 3 番は 1980 年 (おっと手持ちの CD は古すぎて録音データが書いてないぞ ^^; ) のウィーン・フィルとの名盤があるので尚更です。アナログ時代の録音を録り直そうというのならよくある話ですが、ウィーン・フィルとの 3 番はデジタル録音。しかし、1980 年なんてつい最近のように思ってましたが、もう 22 年も経っているんですね。CD も出たての頃で、このウィーンとの 3 番も輸入盤で確か 7,000 円位、小遣い貯めて買いましたっけ。今日日「デジタルで再録音」という時代じゃ無くなったんですね。
アバドのマーラーは、90 年代に、シカゴ響との 1, 2, 5 番をベルリン po. やウィーン po. を使って再録し、さらに 8 番も録音し全集を完成させましたが、この時期の録音はそれ以前のと比べ覇気に乏しく、知的な魅力も薄れていたので、絶頂期は過ぎてしまったんだろうかと思っていました。特にその前のウィーンとの 9 番が圧倒的名演だったので、その落差にかなりガッカリした憶えがあります。それ以来アバドにはあまり期待していなかったのですが (ウィーンとの《グレの歌》もいまいちでしたし)、このベルリン po. との 3 番はそういった印象を覆す見事な演奏でありました。アバドはベルリンを去りますが、ベルリンと築き上げたものの大きさを感じます。
1 楽章は幾分まったりした感じ。ウィーン盤でのキャラクタのはっきりしたディズニー風な演奏と違い、作為的なところを感じないアクの少ない演奏で、最初は物足りなく思いましたが、なぜか聴き飽きしません。マーラー的に目立つ部分はオケの自発性に任せて、例えば内声のトレモロなどのさり気ない部分で味を調えて曲を動かしていくという、さり気ない一音一音にマーラーを知り尽くしベルリンを信頼しきった凄まじいほどの自信と安定感を感じます。驚天動地な演奏がお好みならウィーン盤の方に軍配があがりますが、このベルリン盤は特に目立つ特徴はないものの端正な美人といったところで、これもまた良いものです。とは言うものの、1 楽章コーダの Tutti の大騒ぎの中、3.4 Trp. が低い音域から駆け上がるマーラーお馴染みの 3 連符のファンファーレがはっきり聞こえるなど(これが聞こえる演奏はほとんどないです)、侮れない演奏であることも確かです。
2 楽章以降はウィーン盤と比較するとかなりテンポが上がっておりますが、どちらかというとこれが普通のテンポでウィーン盤の方が遅かったのです。ナチュラルで透明度の高い演奏ですが、ウィーン盤より《角笛》的表現になっており、流れのなかで濃淡を表出しているのでより味わい深い演奏と思います。そして後半に向かうにしたがって深みがどんどん増していきます。4 楽章はウィーン盤ではまったりしすぎて途中で飽きてしまうのですが (^^;、ベルリン盤では夏の真夜中といった濃密な雰囲気が素晴らしく、音楽的にも《大地の歌》に繋がっていく表現で、そのわびさび感が良く出ています。5 楽章の "Bimm bamm" コーラスも、ウィーン盤ではまるで《涅槃交響曲》かと思わせるヘビーな鐘でしたが、ベルリン盤ではちゃんとカリヨン風でした。中間部の第 4 交響曲を先取る部分はテンポを抑えて 4 番の世界を出現させています。ウィーン盤ではここまでしてませんでしたね。93 小節目でグロッケンが音を間違えるのはびっくりしましたが、案外気づかないかも。そして 6 楽章、厚みがありなおかつ透明なベルリンの弦が美しく、そして良く歌います。大きくテンポを揺らすことはあまりないのですが、端正で瑞々しい演奏でした。
録音はロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール (1999/10/11 のライヴ収録)。低音の残響がかなりあるのですが、立上りがよくクセも少ないので音場が広く深く聴こえます。オーケストラの配置はモダンですので、ヴァイオリンが左右で掛け合うようなギミックはありません。CD 2 枚組みで 1 楽章だけが 1 枚目に収録されており、良い配慮だと思います (説明不要と思いますが、1 楽章が第 1 部、2〜6 楽章が第 2 部となっています)。
この後続けざまに 7 番 9 番とリリースされます(国内盤では 7 番がもうでてますね)。この 3 番を聴いて非常に楽しみになりました。こうなったら古くなった 6 番と、4 番もベルリンと録音して欲しいです。アバドの健康が長続きすることを祈るばかりです。
2002.5.10
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2002年5月10日 11:29
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