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マーラー:交響曲第 7 番/バレンボイム [Warner]
マーラー:
交響曲第 7 番
シュターツカペレ・ベルリン
Warner Classics 2564 62963-2
バレンボイムのマーラーはシカゴ響と《大地の歌》・交響曲第 5 番がリリースされていますが、今回はシュターツカペレ・ベルリンとの録音です。
まず特徴的なのは、実に細部にこだわった演奏だということです。第 1 楽章冒頭の弦楽器の刻みはトレモロか 32 分音符かと 2 通りの解釈がありますが、バレンボイムははっきりとした 32 分音符で刻ませていますし、その後も fp sf クレシェンドなどの発想を徹底的に強調します。ディティールのキャラクターを立てる方向の演奏では最もユニーク。アゴーギクもガンガン効かせます。ピアニストだからか、陰に隠れそうなちょっとした動きでもはっきりと聴かせたいという意志が働いて、いろんなパッセージが聴こえる演奏で賑やか。かなり格好良い演奏で、表面的には最もマーラーらしい理想的な演奏と思えます。しかし音楽として何を聴かせたいのかという部分では、何も伝わってきません。音響的には実に積極的で面白いのですが、それだけなのです。つまらない演奏では無いのに、なぜにここまで表面的にしか聴こえないのか理解に苦しむほど。
音楽的な深さというものを考慮せずに聴けば、しかしこれほど面白いマラ 7 もそうそうありません。特に第 2 楽章が秀逸で、《夜の歌》のくつろいだ雰囲気は無いですが、リズムのぶつかりやダイナミクスの周到な計画性などのオーケストレーションの妙技が、これほど貪欲に表現された演奏は聴いたことありません。第 3 楽章はテンポが速く音楽が滑っているように思えますが、キャラの立て方がはっきりしており面白いです。第 5 楽章も、トランペットのハイ C 三連続が弱いですが、遊園地のアトラクションのように趣向の凝った飽きさせなさ感も素晴らしく出ています。ディティールの面白さを追求していくと中身が薄くなるのか、それとも単にバレンボイムの音楽性がこの程度なのかは判りませんが、中身の薄さが弱点と思えないほどの分厚い表現には凄みすら感じます。
録音は、2005 年 2 月 26,27 日。ベルリンのフィルハーモニーにて。バランス的には中音域がやや薄く、これが音楽的な充実感を下げる要因にもなっているように思えます。中低域を持ち上げてやると、音楽的な印象も割と良くなります。高域の粒立ちの良さや、コントラバス、特にチューバの存在感の良さもあり、全体としては聴き応えのあるものです。
マラ 7 も色々聴きましたが、キャラクターを描き分けている演奏としては最右翼のものだと思います。オケもトランペットがここぞと言うときに若干非力に思えなくもないですが、全体としてなかなか燻し感のある良い響きをしていますし、チューバの鳴りっぷりの良さも頼もしい。シカゴ響で聴いてみたかったところもありますが、シュターツカペレ・ベルリンだからこその渋みも良い味になっていると思います。サウンド重視派の人にとっては、聴かなければ勿体ないマーラーでしょう。
Recording producer: Martin Sauer / Sound engineer: Tobias Lehmann / Editing and mastering: Philipp Knop
2006年3月25日 12:08
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