« ショスタコーヴィチ:交響曲第 4 番/ミュンフン [DG] | カバーページ | ブルックナー:交響曲第 8 番/ヴァント [RCA] »
日本管弦楽名曲集 [Naxos]
外山雄三:管弦楽のためのラプソディ (1960)
近衛秀麿(編):越天楽 (1931)
伊福部昭:日本狂詩曲 (1935)
芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽 (1950)
小山清茂:管弦楽のための木挽歌 (1957)
吉松隆:朱鷺によせる哀歌 op.12 (1980)
沼尻竜典指揮/東京都交響楽団
5) 古川展生(vc)、6) 金崎美和子(p)
NAXOS 8.555071J
NAXOS から待望の日本管弦楽曲集がリリースされました。NAXOS は『日本作曲家選輯』と題したシリーズで、今後大量の邦人作品の CD リリースを企画しており、これはその第 1 弾になります。2002 年にはさらに 5 枚のリリースを予定しているようです。
まず一聴して感じたのは録音の良さです。NAXOS にしては埃っぽくないし、音像もクリアだし、間接音もちょうど良い感じでした。邦人作品というと国内レーヴェルの Fontec などが頑張っていたのですが、お世辞にも音は良いとは言えません。Fontec の音で我慢してた者にとってこの NAXOS の音は超優秀録音に聴こえます。
演奏は控えめに言っても水準以上の出来だと思います。《管弦楽のためのラプソディ》は大暴れって感じじゃ無いですが、日本の民謡の心が良く出ていると思いました。〈八木節〉ではホルンのハイノートが聞こえないので寂しいですが、打楽器がなかなかカッコ良いです。そして「ハッ!」というかけ声はやはり日本だなぁと思いました。外国人演奏家の日本モノでたまにかけ声を聴きますが、どうも悲鳴ぽくて、違うんだよなぁと感じてしまいますもの(笑)。やっぱこういうのは外国人ではそのニュアンスが理解できないんでしょうね。外国人には、拍子木のだんだん詰まってくるリズムとかも演奏が難しいそうですし。ということで《越天楽》も素晴らしい演奏です。弦楽器によるハーモニーなんか本物の笙を聴いているようです。あと特に、芥川の《交響管弦楽のための音楽》が素晴らしい。タイトで抑制の利いている表現ながらも、時には大胆。プレヴィンのプロコフィエフを聴いているようでした。Fontec から発売されている芥川也寸志作品集では聴けなかった音なども効果的に聞き取れて、やっと本物に巡り会えたと思えました。伊福部も小山も、祭囃子風のリズム感が力強く、聴き応えのある演奏です。オーケストレーションの細かい部分なども実に丁寧に演奏していて、こういう丁寧な仕事は聴いていて嬉しくなってきます。吉松隆は作曲年代が違うせいか、この作品群の中に入ると異質な印象を受けますが、まあこういう曲も日本にはあるんだよという紹介としては良いのでしょう。
今回はシリーズ第 1 弾なわけですが、プロモーション的にも大成功の 1 枚だと思います。東京都交響楽団の合奏力の高さも驚かされましたし、沼尻氏のセンスにも好感が持てました。そして日本だけでなく海外の方にも容易にこのアルバムを聴いていただけるというは素晴らしいことだと思います。今後のこのシリーズが大変楽しみであります。
現代日本管弦楽作品集
- 伊福部昭:交響譚詩 (1943)
- 田中カレン:オーケストラのためのプリズム(1984)
- 外山雄三:交響詩「まつら」 (1982)
- 尾高惇忠:オーケストラのためのイマージュ(1981)
- 和田薫:オーケストラのための民舞組曲(1987)
広上淳一指揮/マルメ交響楽団
BIS-CD-490
上記 NAXOS のアルバムで邦人の作品に興味を持ったなら、今度はこちらをお聴き下さい。北欧の名門レーヴェル BIS による日本管弦楽作品集です。伊福部の《交響譚詩》以外はわりと最近の作品ですが、伊福部、外山、和田の作品は、民俗性を多分に持った作品で、NAXOS のアルバムに馴染めた方ならまず楽しめます。特に和田薫の《民舞組曲》の第 5 楽章は、和田が吹奏楽コンクールの課題曲として作曲した《土俗的舞曲》のオケ版でして、吹奏楽畑の人はきっと懐かしく聴けることでしょう。非常に力強くハイテンションな曲&演奏です。伊福部の《交響譚詩》には、お馴染み東宝の人気怪獣映画のテーマが一瞬ですが出てきます。伊福部の作品といったら、やっぱりこの「ドシラ、ドシラ、…」が出てこないとね。田中、尾高の曲は俗に言う "現代音楽" なのですが、そんなにぶっ飛んでないので聴きやすいのでは無いでしょうか。もっとも現代曲が好きな人なら全然問題無いでしょう。
演奏は、NAXOS の東京都交響楽団と比べれば切れ味が若干落ちますが、それでも重量感のある演奏で、なによりも派手で賑やかなのが良い雰囲気を作っています。録音は NAXOS よりさらに良く、膨大な情報量で高解像度/高分解能、超優秀録音盤としてオーディオ好きには知れ渡っているアルバムです。
2001.11.14
2001年11月14日 11:29
この記事はどうでしたか? Bad ← 1 2 3 4 5 → Good
評定平均:(2.9) 投票人数:(440)
« ショスタコーヴィチ:交響曲第 4 番/ミュンフン [DG] | カバーページ | ブルックナー:交響曲第 8 番/ヴァント [RCA] »
トラックバック
トラックバックスパム防止のため、末尾の XXXXXXXXX 部分を上記画像の数字に置き換えてからご利用ください。お手数ですがご協力よろしくお願いいたします。
トラックバックが反映するまで時間がかかるかもしれませんし、エラーが出ても受け取れているかもしれません。重複トラックバックはこちらで削除しますので、特にコメントは不要です。

コメントがありましたらどうぞ
メールアドレス・URL は必須ではありません。コメントは管理者が承認してからページに反映されます。 もしページへの表示を望まない場合は、その旨一筆添えて下さい。削除は管理者へ依頼して下さい。