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ショスタコーヴィチ:交響曲第 4 番・第 5 番/プレヴィン [EMI]
ショスタコーヴィチ:
交響曲第 4 番・第 5 番
シカゴ交響楽団
5 72658 2 (EMI)
交響曲第4番
プレヴィンのショスタコーヴィチには、ひと肌程度の温もりを感じる。指揮者の自我丸出しの狂気的な演奏も悪くはないが、もうすでに忘却の彼方にある『証言』という単なる "書物" をいまだに引き合いに出さねばならないという演奏も、時代錯誤の感がある。このプレヴィンの4番および5番は 1977 年の録音なので『証言』以前のものだが、そのような色眼鏡が付いてない分普遍性があり、味わい深い演奏である。スコアを真摯に読み込めれば良いわけである。『証言』なるものの存在は、読み物としては面白いが、解釈に持ち込むとミスリーディングを引き起こしかねないと改めて思った。
第4交響曲はロマン派交響曲の行き着く先、いわばどん詰まりの極地に到達しており、これをまともに演奏するには最大音量で長時間演奏しても崩壊しない圧倒的なパワーがオーケストラに必要とされる。シカゴ響はまさに打ってつけで、つねにタイトでヒステリックにならない音響と堅牢なアンサンブルを聴かせてくれる。オケのこうした特徴とプレヴィンの粘着質な棒が、派手で支離滅裂な印象が強いこの曲から、内省的でありながら深刻になりすぎずしかも豊かという類い希なるショスタコーヴィチ像を作り出している。大枠としての曲の解釈はとくに目を引く解釈がされている訳ではないので、オケの音色と細かい部分のでのプレヴィン的なバランス感覚の賜であろう。であるから、この演奏に関して言及することは微に入り細に入る必要があるため、残念ながら、このような全体としての印象を書き記すに留めるしかなさそうだ。
あえて言えば、それぞれの旋律が明確で、曲の構成要素が整理されていて判りやすい演奏である。大体においてテンポも中庸で適切。1楽章で弦楽器が 16 分音符で嵐のようなフーガを行う部分(「レオノーレ第3番」風)も、確実に 16 分音符として揃うテンポでキッチリ演奏し、金管が入ってくるところからスピードアップし興奮を煽るということをしている。3楽章の最初の三拍子、旋律が徐々に分解していき力強い4分音符だけが進んでいく部分も、どこが1拍目か判らなくなる危険な演奏が多いが、この演奏では非常に判りやすい。特に3楽章が、そういう "よく見える" 演奏である。このように書くと安全な演奏に終始しているととられかねないが、エモーションはちゃんと持続しており、そういう点でも満足できる演奏である。
最大の問題点は録音である。ラトルのタコ10 ほど最悪ではないが、分解能悪く平面的、埃っぽくこもり気味。演奏を地味にしているのは、楽器の音が地味に録られているせいもあるだろう。リマスターリングを望むが、もともとの音源が悪ければどっちみち良くならない・・・か。
演奏:★★★★★
録音:★★★☆☆
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2001年8月12日 11:25
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