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ショスタコーヴィチ:交響曲第 8 番/ロストロポーヴィチ

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ショスタコーヴィチ:
交響曲第 8 番

ムスティラフ・ロストロポーヴィチ指揮
ロンドン交響楽団
LSO0060 [LSO Live]

 LSO Live シリーズでの新盤。ロストロポーヴィチのショスタコーヴィチはあんまり好きでない演奏が多いので、新録音はスルーしていたのですが、8 番は好きな曲ですし、1,000 円と安かったので買ってみました。

 演奏は、うーん微妙なところですねぇ。ロストロポーヴィチらしく気迫のこもった演奏ですが、気迫だけが空回りする恥しい演奏ではなく、冷静にオケの音を聴いてきっちりと対応している見事な演奏であります。しかしどことなくテンポが安定しない感じがあり、安心感が薄い。オケも LSO にしては神経質になっている感じで、LSO なら多少雑でももっと華々しく格好いい演奏をしても良いのではと思えます。

 1 楽章は見事な演奏です。ロストロポーヴィチの解釈もほぼ私の好みに合っていて、テンポの押し引きや、アゴーギクの付け方、ドラマの展開、どれをとっても満足度の高い演奏です。

 2 楽章は一風変わったこだわりがあるようで、スタッカートが付いている音、スタッカートは付いてないがマルカートの指示のある音、なにも付いてない音を使い分けていて、使い分ける事自体は良いのですが、その差が極端に思えます。この解釈は 2 楽章だけの事では無いのですが、2 楽章が顕著で違和感すら憶えるほど。それでも楽譜の指示に忠実ならまだ判らなくも無いですが、恣意的に変更している部分もあり、面白くもありません。フルート、ピッコロのソロもいまいち。

 3 楽章はいまいちテンポに乗っていない。指示は二分音符=152 ですが、演奏は 145〜7 程度。プリミティブの凄さがあまり出てきていません。1 音 1 音がくっきりと判るのは良いのですが。トリオの部分はサーカスの伴劇みたいなチープさが漂っていて、良いのやら悪いのやら。主部との差がはっきり出れば良かったのかもしれません。

 4 楽章は薄暗い雰囲気が良く出た秀演。5 楽章はもともと捕らえどころの無い音楽ですが、なかなか良いストーリーテリングをしています。しかし楽章の中盤より始まるフーガからちょっと音楽がダレてしまうのが惜しい。この辺は重要な部分で、1 楽章のテュッティの再現へ向け徐々にエレクトしていかなくてはならず、音楽を十分に硬直させないとテュッティの再現が迎えられません。ショスタコーヴィチも 1 楽章ほど明確に上り坂を描いておらず、下手するといつの間にか頂点を迎えてしまう難しい部分です。それまでの展開から、この部分をどう処理するか期待したのですが、緊張感はさておき音量だけで解決してしまった感があります。

 録音は 2004 年 11 月 3-4 日、ロンドン、バービカン・ホールにてライヴ収録。タイトな音場感で、音にも艶と伸びやかさが欲しいところですが、バランスは悪くなく聴きやすい音です。倍近い値段の SACD hybrid にするか悩んだのですが、買わなくて良かった感じ。

 これを書き始めた頃は、いろいろと駄目だしをしようと考えていたのですが (^^;、スコアを見ながら細かい部分をチェックしながら聴いていると、案外悪い演奏ではないという気になってきました。2,3 楽章の出来がもうちょっと良くて、演奏に安定感があれば、それこそイチオシのディスクだったかもしれません。うーんでも、ショルティ盤を越える演奏ではないな。

Producer: James Mallinson, Balance engineer: Neil Hutchinson

関連記事を検索: LSO Live ショスタコーヴィチ ロストロポーヴィチ ロンドン響 交響曲

2005年5月31日 15:48

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