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ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集/ルビオ四重奏団 [BRILLIANT]
弦楽四重奏曲全集
ルビオ四重奏団
BRILLIANT 6429
以前書いたバルシャイのショスタコーヴィチ交響曲全集と同じく BRILLIANT の超廉価盤全集です。CD 5 枚組みで 1,790 円でした。私のこのコラムのアクセス数は、バルシャイのショスタコーヴィチ交響曲全集のページがダントツなので、その姉妹編にあたるこのルビオ・カルテットの弦楽四重奏曲全集も取り上げとこかと思った次第です。
ルビオ四重奏団は 1991 年に結成したベルギーの団体です。演奏会では度々ショスタコーヴィチを取り上げていおり、GLOBE レーベルでの全集録音も進んでいたようですが、GLOBE レーベルの活動終了と共にそのプロジェクトも宙に浮いたかたちになり、録音済みの 7 曲も含め新たに BRILLIANT で全曲録音ということになったようです。2002 年 4 月 〜9 月という短期間に、ベルギーのミュレムという村(?)にある教会で、極少数の観客を前に集中的に録音されました。
彼らの "ルビオ" という名前は、彼らの使っている楽器を製作したデヴィッド・ルビオから来ています。「ストラディヴァリウスよりいい音が出て、」「しかも安いからね」とのこと。全員がこのルビオ楽器を使っていますが、私の耳には、幾分金属的で軽めの音に思えます(クロノスほどじゃないけどね)。彼らの奏法の問題かもしれませんが、アタックが腰弱でフラジオレットのような倍音が伴うことも。鳴りは良いようです。素直な音なので、楽器の個性よりアンサンブルの順応さで聴かせる楽器でしょう。
CD では作品順には収録されていませんが、ここでは番号順に聴いていきましょう。
若さに溢れチャーミングな1 番。表現の拙さも感じなくはありませんが、そのひたむきさがかえって青春っぽくて良いでしょう。2 楽章の終わり近くでメロディーが完全に間違った音を弾いてしまってますが、そのまま採用になったようです。第 4 楽章はこの後作曲される第 6 交響曲の終楽章を先取りしているような音楽です。もうちっと開放感や多彩な変化というものを聴けると良かったのですが、不満が残るほどではありません。
筆慣らし的であった1 番からがらりと作風が変わり、独自の世界観へグッと入り込んだ 2 番ですが、1 楽章の厳しい音楽は一筆書き様に綿々と緊張感が続く秀演です。2 楽章は前半に 1stVn. によるレチタティーヴォ、後半はロマンスという構成ですが、深刻なレチタティーヴォの雰囲気を引きずったままロマンスに入るので、聴き疲れます。3 楽章の "ワルツ" は、独り言をぶつぶつ呟くうちにどんどん色んな考えが渦巻き悪夢を見てしまうような、不気味な心理的な音楽ですが、実に節度ある演奏で、強迫観念的な部分を巧く表現しています。終楽章では、激しさを増す変奏の一方、弓のスピードと圧力の関係で裏返る音が頻発、頂点を築けていないのが残念です。
第 9 交響曲(もちろんショスタコーヴィチの)のように、おちょくったほどネアカな始まり方をする 3 番ですが、わりと軽快でサラッとした演奏になっています。1 楽章は技巧的な曲ですが、その技巧がいまいち巧く聴こえず、展開部は短くコンパクトに書かれているのですが、慌てている感じであまり効果的に演奏されていません。2 楽章では 3 拍子を一拍ずつ刻んで行く部分でのテンポキープが不安定なのが致命的。3 楽章の破壊力も内声部の迫力が弱くいまいち。4,5 楽章も平均的な出来です。3 番は有名曲だけに、それに見合った完成度で聴かせて欲しかったです。
4 番は、バレルオルガン調の音楽で始まり、内省的なソロが淡々と歌う 2 楽章、「草競馬」のようなスピーディーで無挙動な 3 楽章、ユーモラスでパワフルなマーチの 4 楽章と、多彩な変化が楽しめる作品です。全体的な雰囲気としてはルビオの演奏は悪くはないですが、細かい部分で音楽的な掘り下げがいまいちで、特に 2 楽章は音楽的な線が混沌としています。4 楽章では大曲的なスケールの大きさを狙っているように聴こえますが、反応が良くありません。コンパクトにまとめ思いっ切りの良い表現が聴きたかったです。
割とがっしりとした演奏の多い 5 番の 1 楽章ですが、ルビオの演奏は軽やかで颯爽とした感じで、こういうのも悪くありません。ヴァイオリンによる第一主題で音がひとつ違っていますが、提示部の繰り返しでも同じ音を弾いているので、こういう版があるのかもしれません。ワーグナーの《マイスタージンガー前奏曲》よろしく 3 つの主題が平行して進む場面がありますが、それぞれの主題が主張することなく、良く言えば見事に調和して、悪く言えば混沌とした状況で進行するのですが、良くも悪くもルビオの演奏の特徴が如実に現れている部分ではないかと思います。前後の楽章とアタッカでつながる静謐でメランコリックな中間楽章アンダンテは、丁寧で良い雰囲気の好演。第 8 交響曲の終楽章と同様な作風の当作の終楽章ですが、クライマックスでの破壊力がいまいちなものの、全体としてしっかりとしたスジが通った演奏で、音楽的な展開も見事。エマーソン Q. の演奏よりショスタコーヴィチ的と思えます。かなり良い出来です。
牧歌的な味わいをもった 6 番ですが、まあ 6 番だからと言ってベートーヴェンの《田園》を意識したわけではないと思います。牧歌的といってもそこはショスタコーヴィチですから、激しかったり暗かったり紆余曲折のある曲です。全楽章のコーダが同じで、最後は同じところへ辿り着くという構成です。ルビオの演奏も充実しており雰囲気や音楽性は良いものを出しております。2 楽章と 4 楽章のヴァイオリンの半音階的なテーマが心許ないのと、4 楽章の全体的な拍節感や各楽器のバランスがいまいちで構造的な面が見えないのが残念です。
そろそろ有名曲の登場です。7 番は小粒でぴりりと辛い作品。3 楽章形式ですが、全てアタッカで繋がり、さらに終楽章はスケルツォとフィナーレをひとつにした構造になっています。フィナーレと言っても 3 楽章の残滓の中から 1 楽章の主題が再現され、息も絶え絶えに尻つぼみに終わる状態なので、前半の暴力的スケルツォの結果と全曲のコーダという機能でしかありませんが、4 楽章形式と考えると全て 3 分程度の曲ということになります。ルビオの演奏は実に丁寧で好感が持てます。雰囲気が良くかなり演奏し込んでいるように伺えます。終楽章冒頭は長二度+短二度からなる 3 音の上行音型(一楽章冒頭の下行音形の逆行形) をその構成音からなるクラスターが追いかけるという、かなり緊迫感のある始まり方をするのですが、上行音型とクラスターが重なり埋もれてしまっていてあららという感じです。それでも緊迫感は充分ありますけど。そのあと嵐のような十六分音符のパッセージが続きますが、柔らかい音にも関わらずしっかりしていて、抑揚もあり、お湯がグツグツと沸騰していくような絶え間ないエネルギー感が良く出ています。
8 番はバルシャイが《室内交響曲》として弦楽アンサンブル用に編曲したこともあって、彼の弦楽四重奏曲の中で最も有名な作品になりました。音楽的にも判りやすく演奏効果も高い作品ですので、ポピュラーになるのも肯けます。後期の作品に良く出てくるショスタコーヴィチのアナグラム d-es-c-h という 4 音動機が全曲を支配しており、ショスタコーヴィチの作品史的にも重要です。曲の詳細はちまちま書きませんが、やはり圧巻は第 2 楽章の超暴力的なスケルツォ。第 8 交響曲や第 10 交響曲のスケルツォに比肩しうるこの音楽を、たった 4 つの弦楽器で表現するのですから、やはりこれは凄いです。5 楽章構成ですが全楽章アタッカでシームレスに繋がっています。ルビオの演奏もその構造に相応しく、下手な小細工は使わないストレートな演奏で全曲を一気に描いており、若さ漲るって感じです。一方アーティキレーションなどに細かい拘りを感じますし、曲の構成にも確固としたものを持っているようで、そのような年期の入れようが、クロノスのような勢いだけという演奏とは一線を画します。音楽的にもっと幅広く多彩に面白く出来る余地はあると思いますが、充分聴き応えのある演奏です。
9 番も 5 楽章形式ながら全楽章アタッカで繋がるという、この時期のショスタコーヴィチのトレンドのような形式をしています。音楽的には、旋律線やら対位法やらで語りの密度を高めるだけでなく、簡素な旋律や間(ま)などで行間に多く語らせる、後期の作品に特徴的な諦観した視線を感じます。スローガンのように脅迫的に押しつけられる音楽性ではなく、詩のように読み手の数だけ味わい方があるような、それ自体に距離感がある音楽。3 楽章や 5 楽章は暴力的で荒々しい音楽ですが、それでさえ直接訴えかけてくるというより、どこか暗号めいて、心の何処かに割り切れないものが引っかかるそんな音楽です。演奏はそんなに悪くありませんが、アンサンブルが曖昧な部分があるのと、楽譜の指示をやや無視している、そのため劇的な部分が若干弱くなっているところがあるという感じ。2 楽章の旋律ももうちょっと表現して欲しかったです。雰囲気は全体的に良いです。特に 5 楽章後半の複数の主題が再現される複雑な部分も、上手くそれぞれの主題にスポットが当てられておりかなり聴き応えあります。
9 番では後期の作品世界が顔を覗かせていましたが、10 番は再び判りやすく因習的な曲です。それだけポピュラー性も高く、バルシャイによって弦楽合奏版にもなっています。1 楽章は淡々とした曲の運びの中に、穏やかなのか不安なのか判らないものが鬱積した音楽。演奏も無難で、その捕らえどころのない感じが良く出ています。2 楽章は下げ弓と開放弦が力強い暴力的なスケルツォ。ちょっと抑えめなテンポのため、冷めた感じと淡々とした印象を受けます。重量級のアクセントを狙ったのかもしれませんが、ここは 8 番の 2 楽章のように全曲の核となるような激しさが欲しいところですね。しみじみとした回想風な 3 楽章はチェロの反復旋律をベースにヴァイオリンが上声を綿々と綴るパッサカリア的アダージョ。旋律の歌い方は良いですが、調性の変わり目で曲調もスッと変えてくるような反応の良さがあるとさらに良かったです。4 楽章は蒸気機関車がシュポシュポ走っているような絶え間ない推進力のあるアレグレットですが、長丁場で息切れしてしまった感のある演奏で、ちょっとした経過句が不用心になったり、最後の駄目押しが欲しいところでもう既にいっぱいいっぱいだったりと弱い部分はありますが、全般的に上手く聴かせています。
11 番は 7 楽章からなる作品ですが、それぞれ 2 分程度の小曲をアタッカで繋げており、1 楽章で提示される主題をそれ以降の楽章で変奏するという、性格的変奏曲のようになっています。序奏/スケルツォ/レチタティーヴォ/エチュード/ユモレスク/エレジー/終曲というタイトルが付いており、中間 3 曲はクラスターやミニマルの要素も聴かれ、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏全作品のなかでも最も前衛的な音響を持っています。個人的にはこの曲が一番好きですね。書法も簡素で、ひとつひとつの要素を取り出してみると単純明快なのですが、その組み立ての巧妙さで、簡単な言葉で奥深いことを言う実にショスタコーヴィチらしい作品です。しかし単純明快なだけに演奏者には演奏能力の最も基本的な部分を問うことになります。ルビオの場合、アタックの不安定さなどあまりきっちりしていない部分がかなり耳に付きました。この曲にはもうちょっとカッチリした演奏が必要です。
12 番は 2 楽章形式。演奏時間が、1 楽章は 6 分、2 楽章は 20 分とかなりアンバランスです。12 番だからなのかも知れませんが、主題のど頭に取って付けたように十二音が出てきます。それだけでなく曲全体が十二音を駆使して出来上がっていますが、いわゆる十二音技法とは違い音列としての機能などはないようで、単に 12 の音を消費するように音楽が書かれている作品です。同じ音が複数出現したりするので調性感もうまれ、また十二音で無い部分も多く含みます。多分この十二音が意味しているのは、不安定感なんだと思います。1 楽章全体が安定した基盤がなくフラフラと彷徨う音楽になっています。2 楽章の主題にも十二音になる部分があり、同じく不安感を強調する音楽になっています。2 楽章は 20 分もあるので独特のフォルムをしておりますが、凄く単純に捉えると、スケルツォ−アダージョ(+再現部)−コーダになるでしょう。特にコーダが変わっています。再現の部分はヴァイオリンのピッチカートが第 1 楽章の第一主題を展開的に扱い、その後本来の曲想で第 1 楽章が戻ってきて、Allegretto でコーダに入ると思われるのですが、このコーダ、何度も同じ音形を繰り返しながら着地点を探り、主調に解決しようとするのですが、5 度音だけが填らず、何度も繰り返すうちにどんどん曲想が膨らみだし、いつまで経っても解決しないのです。本当にコーダなのか疑わしくなってきた頃、ようやく完全に変イ長調に解決し終わります。ルビオの演奏はなかなか立派で、この紆余曲折した長大な楽曲を上手く描き出しております。ただし、2 楽章のスケルツォのクライマックスで、16 分音符のスケールが各楽器でリレーされるなか主題を強奏するというバルトーク風の部分があるのですが、そこのパワフルな広がり感がイマイチ出ていないのが残念な程度です。
13 番は単一楽章で約 20 分ほどある作品。大きく分けて三部形式になっており、前後が単旋律かせいぜいで対旋律を伴う程度の質素な作りの聖歌風アダージョ。中間部がスイング感のあるモダンジャズ風の音楽。ここではボディーをノックする効果音も聴かれます。アダージョ部分だけでは暗く重くかなりヘビーな音楽ですが、中間部のジャズがなかなかブラックな雰囲気で洒落ていて、全体を上手く絞めています。バルトークの第 6 弦楽四重奏曲に通底するものがあり、ショスタコーヴィチ流に焼き直すとこうなるかといった感じ。演奏はアダージョ部分は巧く歌い上げており好感が持てます。特に間合いの取り方が上手い。透明度の高い音楽なので、ルビオの明るく素直な音が曲にマッチしております。ジャズの部分もなかなかノリが良いです。エマーソンよりジャズっぽいんじゃないかな。この演奏はかなりポイント高いです。
14 番は全弦楽四重奏曲中最も取っつきにくい作品ではないかと思います。主題的には第 1 チェロ協奏曲のように判りやすい線をしているのですが、第 15 交響曲のような雰囲気も持っており(引用といっても良い部分もある)、なかなか謎めいた音楽です。1 楽章の第一主題は、前半はまだ調性的ですが、後半は 12 音を全て使うよう書かれていて、そのずれた調性感が主題の行く手をぼかし、先の見え無い不安感がどことなく付きまとっています。ベートーヴェン四重奏団のチェリスト、セルゲイ・シリーンスキーに捧げられたこの曲は、チェロ協奏曲と思えるほど全編チェロが大活躍しており、第二主題の提示がチェロのカデンツァ風になっているとか (その他にも要所要所でカデンツァが出てくる)、ソナタ形式ながらかなり大胆な構成になっています。2 楽章のアダージョは、中間部のメランコリックでもの悲しい子守歌が、ショスタコーヴィチの作った音楽の中で最も美しいもののひとつと思える作品。アタッカで繋がる終楽章がかなり難物で、調性・拍節ともにトリッキーな楽曲。お終いに 2 楽章の再現と、1 楽章の再現があり作品としては綺麗にまとまりますが、内容はかなり複雑です。ルビオの演奏はほとんど非の打ち所が無いでしょう。ことさらに謎めいた雰囲気を強調することなく、ショスタコーヴィチ的な語調を丁寧に描出することで、引用や他作品との関連を見事に音化しています。取っつきにくい作品でしたが、この演奏を聴くことでこの作品への理解が深まりました。
最後の第 15 番は、全 6 楽章すべてアダージョという作品。エレジー/セレナーデ/インテルメッツォ/ノクターン/葬送行進曲/エピローグという副題がついており、全てアタッカで演奏されます。禁欲的でまるで遺言を認(したた)めているかの様な諦観した口調で、表題からは想像できない厳しい音楽になっています。自己の語法を切りつめエッセンスだけで表現したような簡素な音楽。演奏する方にも聴く方にもかなりの忍耐を強いる作品です。それぞれの楽章がそれぞれ特徴的な語法で語られます。"エレジー" は機械的な旋律が枯れきったわびさびを印象づけるかなり自由な展開を見せるフーガ。ビブラートを最低限に抑えた演奏で、機械的な感じを強調しているようですが、表現の深みが犠牲になっているように思われます。"セレナーデ" は、全音符の長いロングトーンが ppp から sffff へ爆発するという曲想が斬新。 全音符の爆発は 12 回繰り返されもちろん十二音を形成します。中間部にはショスタコーヴィチらしい風変わりなワルツがあります。ワルツの部分は基本テンポの変更がなく「隠れた」ワルツになっているのですが、ルビオはそこでテンポアップしてワルツらしさを強調しています。"インテルメッツォ" は前半はヴァイオリンのカデンツァ、後半はセレナーデのリフレインと葬送行進曲の予告という曲ですが、ぼんやりしているとセレナーデの一部と思ってしまうかもしれません。"ノクターン" は音域の広いアルペジオが特徴的で、14 番の 2 楽章に負けず美しい音楽。1st Vn. の高域のアルペジオが安定せず綺麗でないのが名演に水を注しているような。"葬送行進曲" は各楽器の決然としたソロを繋いだ音楽。"エピローグ" は 32 分音符の細かいトレモロやトリルが悪夢的な音楽。その基本主題の合間に各楽章の音楽が思い起こされます。最後はビオラのトリルのなか、葬送の音楽で静かにあっけなく終わります。ソツのない演奏で、深い感銘を受けるほどではないですが、冷ややかな絶望感というか、虚無感というか、この作品のエッセンスは十二分に伝わる演奏です。
録音はかなり良いです。直接音と間接音のバランスが良く、弦の振動と空気感が見事に捉えられた透明度の高い録音です。密度感も音の抜けも良く、音質的にはあまり特徴のないルビオの音ですが綺麗に豊かに聴かせてくれます。その点で、オンマイクでこもり気味なエマーソン Q. や、そもそも音質的には良くないボロディン Q. のメローディア録音を大きく引き離しており、私の知る限り最良のショスタコーヴィチ録音です。
総論的に申しますと、この全集は「買い」です。カルテットとして、また個人の技量として限界が見える部分も間々ありますし、特にこれはカルテットの個性なのか録音の問題なのか判りませんが、全体的に 2nd Vn. が弱く、1st と対等に掛け合う部分でもあまり表立たないなどの不満があり、その辺でちょっと辛い評価として書かせていただきましたが、褒めるより貶す方が簡単なので、どうしても問題点を論う格好になってしまいました。全体としては弦楽四重奏曲の枠を越えてショスタコーヴィチの語法をかなり良く研究しており、そしてそれが音にも充分生かされており、大変充実した演奏内容になっています。アンサンブルの技術としても、「限界が見える」とは書きましたが基本的には何ら鑑賞に問題無いレベルは維持しており、同じ廉価盤でもバルシャイの交響曲全集のような危なっかしい演奏とは雲泥の差であります。「若さと情熱で乗り切った」みたいに多めに見てやる必要もありませんし、なにより後期作品群での充実した演奏ぶりは、若さと情熱だけでは到達できないものでしょう(若さと情熱が先行している部分はありますが)。録音も優秀ですし、何より安い!。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲に興味のある方なら必携のアルバムです。
2005年2月28日 12:22
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今日はショスタコーヴィッチ作曲、弦楽四重奏曲第10番。ショスタコーヴィッチ弦楽四重奏団。
この人の、弦楽四重奏によるぼやき節。
交響曲のように爆笑ギャ... [続きを読む]
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