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マーラー:交響曲第 1 番/ショルティ/ロンドン響 [DECCA]

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マーラー:交響曲第 1 番

サー・ゲオルグ・ショルティ
ロンドン交響楽団
458 622-2 (DECCA) 53'59"

 1964 年 1, 2 月、ロンドン、キングズウェイ・ホールにて収録。録音プロデューサはジョン・カルショー。ちなみにステレオ録音である。同時期発売されたバルトークの「管弦楽のための協奏曲」他と同じく、ロンドン交響楽団との '60 年代録音のデッカ・レジェンド復刻盤。

 シカゴ交響楽団との新録音もあるのでそれとの比較になるが、復刻盤のバルトークで感じだことと同じことが言える。新録音とは基本的な解釈等変わっていない。しかしやはりこちらの演奏の方がエッヂが鋭く、ダイナミックだ。バルトークのときほど荒削りな部分は少なく安定したアンサンブルを聴かせるが、クライマックスでのツッコミに耐えられず、崩壊しかける部分は相変わらずではあった。

 このロンドン響盤での聴き所は、中間の 2,3 楽章だと思う。2 楽章の弦楽器群の鳴りの良さ。爽快なテンポ感。シカゴ響での演奏より意欲的な曲作りで、なかなか格好良く出来ている。コーダは崩壊しかけているが、これはシカゴ響の登場を待つほかないだろう。3 楽章も、フレール・ジャックが終わった後のメランコリックな主題がハンガリアン・ラプソディ的な表現で、聴かせてくれる。中間部の "ムーンライト・シーケンス" も弦楽器の柔らかい表情が何ともいえず良い。

 両端楽章は、シカゴ響の安定感を兼ね備えた破壊力にはかなわないが、それでも立派な演奏だ。特に第 4 楽章の弦楽器による 8 分音符の速句をかなり立てており格好良い。金管もエグいほど吹きまくっている。しかし 1 楽章の展開部の終わり、金管のファンファーレで俄然盛り上がる "ブレークスルー" の部分、および第 4 楽章の同様の部分 (中間に出てくるハ長調で解決すると見せかけてニ長調にいく感動的なファンファーレと、最後の "ブレークスルー") が、ちょっと作りすぎで、ストレートに感動できなかった。特に 4 楽章最後の "ブレークスルー" はそこに至るまでの盛り上げ方が弱く、音響的には立派なものの、単なる終結部以上の感慨を感じることが出来なかった。この辺は録音にも責任があって、低域の量感不足、特にグランカッサとティンパニーが十分に聞こえないために、盛り上がりが下から支えられてないのである。

 全体的には満足できる演奏であるし、中間楽章の音楽的充実にも目を見張るものがあるが、シカゴ響盤を差し置いてまでお薦めするほどのものでもない。しかしマーラー演奏としての絶対的価値でみると秀演であることも確か。ショルティ好きなら買って損はない。

録音的にはバルトークの「管弦楽のための協奏曲」他と同等である。
演奏:★★★★☆
録音:★★★☆☆

関連記事を検索: マーラー

2001年3月16日 23:41

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