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R.シュトラウス:《英雄の生涯》《影のない女》幻想曲/ティーレマン [DG]
R. シュトラウス:
交響詩《英雄の生涯》 op.40
交響的幻想曲《影のない女》
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
DG(476 192-2)
'02 年 9 月、ムジークフェライン・ザールにてのライヴ録音。
一言で言って「大味な R. シュトラウス」である。威勢の良い演奏で、オケは好き勝手に鳴らしまくり、ティンパニがダダダンとぶっ叩き、弦楽器はガシガシと音を出す。金管奏者の私など、こういう派手な演奏は大好きなのです。ただしそれ以上のものはあまりないかも。
勝手な想像ですが、大してリハーサルを行っていないのではないでしょうか。といってアンサンブルが揃ってないとか、解釈が行き当たりバッタリとか言う事ではありません。アンサンブルはウィーン・フィルが勝手にやってくれますし、ティーレマンはこの曲を良く知っているようです。しかしこのことが逆に緊張感を無くしている原因かもしません。通し稽古をしながら大声で「ティンパニー、そこはもっと大きく!!」「ヴァイオリン、はっきり!!」のように指示をした程度で本番に望んだような、雑な印象をこの演奏から受けます。
音が薄くなる部分、特に「英雄の業績」などは、音の重なり方や動かし方など目配せが行き届いているところもありますが、テュッティ(合奏)の部分では、フォルテは大きくフォルテシモはもっと大きくといったステレオタイプな解釈のみで、音響的な迫力の割に音楽的な広がりがありません。楽譜から音楽が離れていかない、沸き立ってこない、というのが聴いていての感想です。全体的にプレーヤーの個人技で成り立っている演奏と思います。
お終い近くのイングリッシュ・ホルンのソロの部分で編集ミスがあるのも残念。聴いていて一瞬「え?」と思います。
交響的幻想曲《影のない女》は、幻想曲とあるだけあって、歌劇《影のない女》の中から、主に穏やかで幻想的な部分を組み合わせた音楽。オペラ全体はもっとダイナミックで変化に富んでおり、R. シュトラウスのオペラのなかでもワーグナー的マーラー的要素の強い作品なので、この "交響的幻想曲" は歌劇の多彩な要素のうちのほんの一部分に過ぎないです。しかしだからといってこの演奏、まったりしすぎ。響きは豊かですが、繊細さや軽やかさや切れなどがあまり感じられません。ただただヘビー。聴き所は、後半大活躍するトロンボーン・ソロ!! バウスフィールドの暖かく滑らかでプリプリした音、たまりません。
録音は、以前リリースされた《アルプス交響曲》のときに「スピード感の無いモヤっとした低域が中心で、音場感も平面的。」と書きましたが、今回もこの言葉がそのまま使えそう。ゲルギエフの《幻想》ほどではないが、低域のブーミーな音が全体の印象をさらに損ねていると思えます。
2003年10月29日 23:53
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