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ブルックナー:交響曲第 8 番/ヴァント [RCA]

hanson.jpg

ブルックナー:
交響曲第 8 番

ギュンター・ヴァント指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
RCA 74321 82866 2

 この季節 (註:12 月に書いたものです) になるとなぜかブルックナーが聴きたくなります。晩秋から初冬にかけての季節感とブルックナーの曲とがマッチして良いんですよね。で、何番を紹介しようか悩んだところ、もうじき巷は『第九』の季節ということになるので(私個人は年末の『第九』などどうでも良いんですが ^^; )、8 番を取り上げることにしました。

 なぜに 8 番かというと、ブルックナーの第 8 交響曲はベートーヴェンの第 9 交響曲へのオマージュとして見て取れるからです。そもそも、ブルックナー開始あるいは「原始霧」とも言われる弦楽器のトレモロによる導入は、ベートーヴェンの 9 番の開始をもじったものですし、さらに 8 番と『第九』の第一主題を思い起こしてみれば、リズム型は酷似しており、下行音形を上行音型に変えた形をしているのが容易に理解できるでしょう。またブルックナーはスケルツォを第 3 楽章にもってくるが通例でしたが、8 番において『第九』と同じく第 2 楽章にもってきました。と類似点を探していると、ブルックナーのスケルツォの主題が「喜びの歌」に聴こえて来ませんか? これで第 4 楽章に合唱を持ってくればだめ押しなのですが、それはブルックナーのやり方ではないのでしょう。音楽的にはまるっきり違う 2 作品ですが、偉大なるベートーヴェンへの感謝の気持ちを、ブルックナーは第 8 交響曲に込めたのではないでしょうか。これは私一人の思いこみではなく、ブルックナー好きには共通認識になっている事柄です、よね。

 推薦 CD ですが、今や定番となったヴァント/ベルリン・フィルの演奏がやはり素晴らしいです。柔らかいながらも明瞭でしっかりした音響に、一筆書きで振幅の大きい曲想。ベルリンの音もカツンとしてなく、柔らかい発音でしっとりとして、硬質なベルリンという印象はどこにもありません。そんなさ中、音を割ったホルン/テナーチューバの響にはゾクゾクッとさせるものがあります。各パートのソロの受け渡しも淀み無く見事。ヴァントのテンポの変え方や展開の仕方も誠に自然で、流れを途切れさすことなく説得力あるドラマ性に富んだ演奏をしています。ハース版を使っているということもポイントが高いです。良く演奏されるノヴァーク版第 2 稿とは特に 3 楽章で顕著な差があり、ノヴァーク版は刈り込まれ過ぎてドラマが単純化硬直化。ハース版にはドラマでいうひっぱりの要素「焦らしのシークエンス」が残っているので、よりドラマチックな展開を味わえる訳です。同じハース版を使ったカラヤン/ウィーン・フィル以来、久しぶりに充実した演奏に巡り会えました。

 ヴァント/ベルリン・フィルのブルックナーは、この他に 4, 5, 7, 9 番が出ています。この中で私的には 8 番より 7 番の方がさらに素晴らしい演奏だと思っています。でも 7 番については特に書きません。何番を書いたにせよ、書く内容は 8 番と大差無いからです ^^;。

2001.12.6

2001年12月 6日 11:29

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コメント(1)

渡辺純一様

はじめまして、stbhと申します。トラックバックさせていただきましたのでご挨拶に参りました。多くのすばらしい記事を参考にさせていただいております。今後ともよろしくお願いします。

投稿者 stbh : 2005年9月23日 16:54

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