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スチームボーイ
スチームボーイ
大友克洋監督
バンダイビジュアル
先日 DVD が発売になりましたが、私が見たのはもう少し前に出たレンタル版です。通常版を買うか、4 枚組のメモリアルボックスを買うか。映画館で見ていない私は、まずレンタルで出来を確認しようと、そういう根端でした。
大友克洋というと、私には『童夢』であり『気分はもう戦争』であり『アキラ』(漫画版) であるわけで、アニメ作家というより漫画家です。大友さんの書く線は、劇画と漫画の中間といった感じのタッチが好きで、書き込みも緻密、少ない線でも上手く対象物を伝える絵の力を感じます。反面、止め絵調で動きがあまり感じられなくなる絵でもありますので、アニメはそのへんの欠点を補えるだろうと考えていました。
アニメ作品では彼がキャラクタデザインを務めた『幻魔大戦』は好きでしたが (今見たらどうか判らないけど)、『アキラ』は世界感の奥行きなどで漫画の方が良いなぁと思うくちでした。シャーペンで書いたようなタッチのキャラも違和感を憶えました。『MEMORIES』の『砲台の街』は全編 1 カットという実験的な作品ですが、水彩画調の絵のタッチが素晴らしい。今の CGI 全盛の時代では簡単でしょうが、絵を重ねて撮影するだけの古典的なアニメの技法中心で、あれだけ複雑な動きの絵を作り出すのは驚異的でした。
さてそれから製作期間 9 年、総制作費 24 億という破格な規模の作品が作られました。しかし制作に 9 年も掛けると、初期に作った部分が技術的に色あせそうなものですが、どうだったんでしょうか。完成しないのにもうリメークとか、常にどこかいじっていて完成し無さそう。完成した作品を観ると、時間を掛ければ良くなるというものでは無いのだなと思いました。
絵の完成度は高いと思います。特に背景画。キャラクタより背景の印象の方が強いほどで、環境とか世界とかが最大の魅力を放つ作品に思えました。あとは、重要なキャラクタのひとつであるスチームの描き方も凄い。スチームはその場その場で様々な表情をもっており、重さやスピード感や威力など、アニメーター泣かせの素材と思いますが見事に演技をしています。温度感も冷たそうで、なぜ蒸気なのに冷たそうに書いてあるのか不思議でしたが、「熱い」だと「冷たい」だのセリフで言わなくとも温度が伝わる絵は、やっぱり良くできていると思います。
個人的には、前半部分の展開にあまり面白みは感じられませんでしたが、舞台が完成してからの後半は十分楽しめました。が、大友克洋に期待していたものはほとんど無く、日本のアニメ作品に特徴的な "作家性" はあまり感じられず、ハリウッド的な映画になっていると思います。予算と人が多くなり、失敗するわけにいかなくなると、やっぱりこういう無難な映画になってしまうのでしょうか。
今回はレンタルで見たので表面的な評価しかできないのが申し訳ないところ。画質音質ともに満足できるものですが、dts 音声で収録して欲しかった。メモリアルボックスを買うかどうかは、結局まだ迷っていますが、レンタルだけで十分だったかという思いもあったりして…。
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スチームボーイ 通常版
スチームボーイ メモリアル BOX
2005年4月18日 17:49
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